『ひうち型』多用途支援艦は、護衛艦等の射撃訓練などの支援を任務とする艦艇で、3隻が建造・就役している。
ひうち型は、特務艇『81号型』の代替として建造され、その任務は護衛艦等の射撃・魚雷発射などの訓練支援のほか、潜水支援、救難、消火、航路警戒など多岐にわたっている。
訓練支援では低速標的機『ドローン』の運用のほか、自走式水上標的機『バラクーダ』の運用などを行う。また、対潜水艦用の訓練支援時においては、自走水中標的の運用も行う。操縦管制と射撃評価は、艦橋の後部で実施する。
そして、消火任務のために、艦橋の上に消火用の放水銃を装備している。
船体は、中央部分に煙突があり、船体後部が1段低い構造になっており、甲板の3分の1ほどの面積をもつこの部分に標的機などを搭載する。また、船尾中央部分は通常の艦艇のような角ばったつくりではなく、丸みを帯びたスリップウェイと呼ばれるつくりになっており、標的曳航時などに曳航用のケーブルが接触した際にケーブルを傷つけにくいように丸みを持たせている。このため、通常の艦艇では自衛艦旗を船尾に掲揚する旗竿が船尾の中央部分にあるのに対し、ひうち型では艦の右側に寄せて設置されている。
機材の積み込みや、標的の投下・収容などを行う電動油圧式のクレーンが煙突後部に設置されており、標的を曳航することもあるため、曳航能力は強力で、機関出力は5,000馬力あり、これは補給艦をも曳航ができるほどである。
機関は、標的曳航なども考慮して出力が5,000馬力となっている。これは、基準排水量950tの試験艦『くりはま』が2,600馬力であることからしても、その機関の強力さがわかる。強力な曳航能力によって、補給艦も曳航が可能である。
ひうち型の機関は、1番艦のひうちが新瀉原動機の6MG28HX型を、2・3番艦の『すおう』、『あまくさ』がダイハツディーゼルの6DKM28型をそれぞれ搭載している。
また、ひうち型は建造コスト削減のために、操舵装置は民間のものと同じ規格のものである。
ひうち型の1番艦は1999年に計画され、2、3番艦は2001年に、4、5番艦は2005年に計画された。「すおう」はすでに横須賀地方隊に配備されていたが、「えんしゅう」の就役に伴い大湊地方隊に配備され、「ひうち」は「げんかい」の配備によって呉地方隊から舞鶴地方隊に配置換えとなっている。
配置換えを行い新型艦を横須賀と呉に配備したのは、「えんしゅう」、「げんかい」は潜水艦に対する訓練能力が向上しているためで、横須賀基地と呉基地には潜水艦部隊(横須賀には第2潜水隊群、呉には第1潜水隊群)があるためである。
この「えんしゅう」、「げんかい」の就役をもって5つの地方隊すべてに多用途支援艦が配備された。
| 主要目 |
| 型名 |
ひうち |
| 船種 |
多用途支援艦 |
| 記号 |
AMS |
| 基準排水量 |
980t) |
| 長さ |
65m |
| 幅 |
12m |
| 深さ |
5.8m |
| 喫水 |
3.5m |
| 速力 |
15ノット |
| 乗員 |
約40人 |
| 主要兵装 |
クレーン装置一式
えい航装置一式
消防装置一式 |
| 同型艦及び年表 |
| 番号 |
名前 |
計画年度 |
起工 |
進水 |
就役 |
退役 |
| 4301 |
ひうち |
1999年度 |
2001年1月18日 |
2001年9月4日 |
2002年3月27日 |
(就役中) |
| 4302 |
すおう |
2001年度 |
2002年9月19日 |
2003年4月25日 |
2004年3月16日 |
(就役中) |
| 4303 |
あまくさ |
2001年度 |
2002年12月3日 |
2003年8月6日 |
2004年3月16日 |
(就役中) |
| 4304 |
げんかい |
2005年度 |
−−−−年−月−日 |
2007年5月24日 |
2008年2月20日 |
(就役中) |
| 4305 |
えんしゅう |
2005年度 |
−−−−年−月−日 |
2007年8月9日 |
2008年2月20日 |
(就役中) |