とわだ型補給艦艦はさがみ型補給艦(退役)に次ぐ補給艦として建造され、護衛艦の航海の長期化、大型化やヘリ搭載に伴うヘリ用燃料の補給などに対応ができるようにさがみ型(退役)よりも基準排水量が3,100t増加した8,100tになっている。
補給は、3つある門のような形をした洋上補給ポストを、使用し、通常航行しながら補給を行う。補給ポストは1つの門の片側に1カ所づつの計2カ所の補給ポストがあり、一番前の補給ポストが艦船燃料用(メイン)で、真ん中の補給ポストが物資(弾薬、食糧などのドライカーゴ)の補給、艦橋に一番近い補給ポストが艦船燃料用と航空機燃料用、真水の補給ポストである。
ドライカーゴはヘリコプターによる輸送も可能で、艦の後部にはヘリ甲板があり、このヘリ甲板は掃海・輸送ヘリコプターMCH−101が着艦可能なゆとりを持った大きさであり、ヘリコプターを使った補給も可能となっている。ヘリコプターによる輸送に関しては、大型のヘリコプター搭載護衛艦(DDH)のひゅうが型(1番艦ひゅうがは平成21年就役予定)にはMCH−101が搭載予定で、このひゅうが型を中継(通常の護衛艦にはMCH−101は大きく、着艦不能)して各護衛艦にヘリを使った迅速な物資や人員の移送などが可能となっている。もちろん、汎用護衛艦(DD)に搭載している哨戒ヘリ(SH−60J/K)を直接補給艦に着艦させた物資等の移送も行うことができる。
さらに、とわだ型の艦内には医務室があり、急病人などの治療を行うことができる。
インド洋でのテロリスト等の武器や麻薬などの資金源の流れを断つ海上阻止活動を支援するため補給艦がインド洋に派遣されたことによって、補給艦による燃料補給が一般にも知られるようになったが、補給艦自体は燃料だけでなく、真水やドライカーゴと呼ばれる物資(弾薬や食料など)の補給も行うことができる。このため、補給艦は燃料だけでなく、食糧を保管するための冷凍冷蔵設備がある。
拡大改良をしたましゅう型がすでに就役しており、このとわだ型とましゅう型で5隻をもって第1海上補給隊が護衛艦隊直属で編成されている。補給艦が5隻となったことによって1個護衛隊群につき(1隻が定期検査などでドック入りしていても)1隻の割り当てが可能となっており、護衛艦の長期行動化など運用に柔軟性を持たせることができている。
船体設計はCIWSなどの対空火器の搭載が可能な設計となっており、将来対空火器を搭載することも可能である。ただし、具体的な計画はない。
主要目 |
型名 |
とわだ |
船種 |
補給艦 |
記号 |
AOE |
基準排水量 |
8,100t(「はまな」は8,150t) |
長さ |
167m |
幅 |
22.0m |
深さ |
15.9 |
喫水 |
8.1m(「はまな」は8.2m) |
速力 |
22ノット |
乗員 |
140人 |
主要兵装 |
洋上補給装置一式
補給品艦内移送装置一式 |
同型艦及び年表 |
番号 |
名前 |
計画年度 |
起工 |
進水 |
就役 |
退役 |
422 |
とわだ |
1984年度 |
1985年4月17日 |
1986年3月25日 |
1987年3月24日 |
(就役中) |
423 |
ときわ |
1987年度 |
1988年5月12日 |
1989年3月23日 |
1990年3月29日 |
(就役中) |
424 |
はまな |
1987年度 |
1988年10月2日 |
1989年5月18日 |
1990年3月29日 |
(就役中) |