トップ海自データ集 ⇒ このページ

むらさめ型護衛艦

むらさめ型

 むらさめ型護衛艦は『はつゆき型』の後継として計画された護衛艦隊の中核となる対艦、対潜、対空など、バランスの取れた汎用護衛艦である。むらさめ型は1991年から1997年の7年間に9隻が建造された。

 護衛艦隊の中核となる汎用護衛艦(DD)で、汎用護衛艦とは対空誘導弾搭載護衛艦(DDG)やヘリコプター搭載護衛艦(DDH)はそれぞれ、対空、ヘリ運用などに特化した装備を持っているが、汎用護衛艦は、対艦、対潜、対空やヘリ運用(通常1機)などに対してバランスの取れた能力を持っており、護衛艦の中でものこのタイプが最も多い。『あさぎり型』以降の汎用護衛艦は通常1機のヘリ運用に加え、臨時にもう1機搭載が可能な設計になっているが、このむらさめ型までは“搭載が可能”と言うレベルで本格的な2機運用が可能になるのは『たかなみ型』以降である。


艦首部から76mm速射砲、VLS、CIWSを装備している。  主砲は、はつゆき型やあさぎり型と同様に76mm速射砲で、兵装の面で最大の違いはむらさめ型がVLSを装備している点である。VLSを装備したことにより対潜ロケット弾アスロック専用発射機のアスロックランチャー、対空ミサイルシースパローの専用発射機のシースパロー発射機を廃止し、アスロックは艦橋前部のMk41から、シースパローは2本の煙突の間にあるMk48からそれぞれ発射するようになった。さらに、対艦ミサイルははつゆき型やあさぎり型の装備するハープーンではなく、より高性能な国産の90式対艦誘導弾を始めて装備した。そして、3連装短魚雷発射管を2基装備するほか、高性能20mm機関砲CIWSを艦橋前部とヘリ格納庫上部に装備している。主観ではあるが、あさぎり型より基準排水量が1,000t増加するなど船体が大型化しているが、主砲があさぎり型同様76mm速射砲であり、船体に不釣り合いであり、射程も短いので遠距離攻撃に不利である。



 システムの省力化がはつゆき型、あさぎり型よりも進んでおり、基準排水量は両型より1,000t以上増加しているが、乗員はあさぎり型から55人、はつゆき型から35人減った165人となっている。このため、乗員のベッドが2段(はつゆき型、あさぎり型は3段ベット)になるなどゆとりを持った構造となっている。さらに、船体は艦橋などに傾斜をかけてステルス性を考慮したデザインとなっている。



 むらさめ型は、はつゆき型の後継タイプであるため、むらさめ型が護衛隊群に配備されるのと代わりにはつゆき型は順次地方隊に配置換え(一部は練習艦)となった。


むらさめ型は9隻が建造され、その後は細部を改良した『たかなみ型』へ以降している。

主要目
型名 むらさめ
艦種 ヘリコプター搭載汎用護衛艦
基準排水量 4,550t
長さ 151m
17.4m
深さ 10.9m
喫水 5.2m
速力 30ノット
乗員 約165人
主要兵装 76mm速射砲
90式対艦誘導弾
シー・スパローMk48から発射)
アスロックMk41から発射)
3連装短魚雷発射管×2
高性能20mm機関砲×2
哨戒ヘリSH−60J



同型艦及び年表
番号 名前 計画年度 起工 進水 就役 退役
101 むらさめ 平成3年度 平成5年8月18日 平成6年8月23日 平成8年3月12日 (就役中)
102 はるさめ 平成4年度 平成6年8月11日 平成7年10月16日 平成9年3月24日 (就役中)
103 ゆうだち 平成6年度 平成8年3月8日 平成9年8月19日 平成11年3月4日 (就役中)
104 きりさめ 平成6年度 平成8年4月3日 平成9年8月21日 平成11年3月18日 (就役中)
105 いなづま 平成7年度 平成9年5月8日 平成10年9月9日 平成12年3月15日 (就役中)
106 さみだれ 平成7年度 平成9年9月11日 平成10年9月24日 平成12年3月21日 (就役中)
107 いかづち 平成8年度 平成10年2月25日 平成11年6月24日 平成13年3月14日 (就役中)
108 あけぼの 平成9年度 平成11年10月29日 平成12年9月25日 平成14年3月19日 (就役中)
109> ありあけ 平成9年度 平成11年5月18日 平成12年10月16日 平成14年3月6日 (就役中)



むらさめ
はるさめ
いかづち




inserted by FC2 system