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艦艇一般公開

 この艦艇一般公開は、観艦式の付帯行事として行われたもので、横須賀基地などで行われ、私は公開艦艇の一番多い横須賀基地へ行きました。
公開されていた艦艇は、『ちょうかい』、『くまたか』、『たかなみ』、『たちかぜ』、『やまゆき』の5隻です。その他にも『くらま』など多数の護衛艦などが停泊していました。全国から艦艇が集結するため(もちろん防衛上影響がないように)多くの艦艇を見ることができます。





『ちょうかい』は、『こんごう』型の4番艦で、イージス艦です。海上自衛隊で第4世代の対空誘導弾搭載護衛艦で防空の中枢艦であり、最新鋭の護衛艦である。

外見は米軍の『アーレイバーク』に酷似しているが、防空中枢艦として旗艦設備を充実させたため艦橋構造物は大型しており、6層からなる構造物は4〜5層がレーダー室、6層目が艦橋である。また、船体は電波・音波・熱線に対するステルス性を考慮して直線的・傾斜がかかかった形状になっている。


  

主砲の127o速射砲はかなりの大きさです。横幅というよりは意外に高さがあります。しかし、翌日の観艦式予行で『おおなみ』に乗ったときの武器展示で127o砲の作動を見ましたが、かなり滑らかな動きをしていました。

 VLSは想像していたより区画が大きかったです。こんなもんかもしれませんが。このVLSはミサイルが発射された後に目標に向かっていくために、ミサイルを発射前に目標へ向ける必要がないため迅速に発射でき、イージスシステムの能力を存分に発揮させることが出来る。後部にもVLSが装備されている。


  

 3連装単魚雷発射管は単魚雷を発射するもので、対水上(艦艇)攻撃任務はミサイルに譲っており、これは対潜水艦用の魚雷を発射するものである。魚雷は発射された後に自ら標的を探し攻撃する。

 高性能20o機関砲CIWSは飛来するミサイルや航空機を攻撃するもので、目標の捜索から攻撃までを全自動で行う。射程などの関係上、艦防衛の最後の砦といっていい。ちょうかいのCIWSには夜間でも水上目標に対して射撃が行えるように赤外線のカメラ(矢印)が付いている。







『くまたか』は、『はやぶさ』型の4番艦でミサイル艇と呼ばれるものです。ミサイル艇『はやぶさ』型はミサイル艇『1号』の性能を向上させた新型艇で、不審船などに対応できるようになっている。


  

 『はやぶさ』型は、『1号』型で装備していた20o機関砲ではなく、76o速射砲に代わっており、武装を強化している。この76o速射砲は従来のドーム型に代わり、ステルス性を考慮した形状になっている。

 対艦ミサイルは『1号』型と同様に国産の90式対艦誘導弾で、これはハープーンよりも高性能であるとされている。この90式対艦誘導弾発射装置を艇後部に互い違いに2基装備している。


  

 12.7o重機関銃は、艇の装備の扱いではなく、搭載品となっている。これは、護衛艦なども同じである。12.7o重機関銃の架台は固定式で、防弾盾も付いており、この盾は結構な厚さがある。


  

 この、『はやぶさ』型ミサイル艇と『1号』型ミサイル艇の最大の違いと言っていいのは推進方式で、『はやぶさ』型はウォータージェットポンプによって推進する。この推進方式は、水を取り込んで高速で排出する推進方法で、水上バイクと同じ原理。流れるプールの仕組みだと思ってもらえればよい。

 〔総員離艦安全規則〕と書かれた物を見つけました。7番のサメに注意がちょっと面白いです。






『やまゆき』は、『はつゆき』型の8番艦で、『はつゆき』型は『やまぐも』・『みねぐも』・『たかつき』型の艦隊機動力の中核艦の後継で、いわゆるヘリコプター搭載汎用護衛艦です。


  

 主砲は76o速射砲で、同じ76o速射砲でも『はやぶさ』型が搭載しているものとは形状が違い、ドーム型の外見をしている。

 アスロックランチャーは艦橋前部の76o速射砲の後ろにあり、このアスロックはロケットの先端に魚雷をつけたもので、『やまゆき』の発射装置は8連装の発射装置だが、『こんごう』・『むらさめ』型からは垂直発射装置(VLS)から発射になった。


  

 対艦ミサイルはハープーンを搭載しており、両舷に2連装の発射機を各1基外側に少し向いた形で装備している。

 艦後部にはシースパロー発射機がある。このシースパローは航空自衛隊のF−4EJやF−15Jが装備するスパローを艦艇発射用に改良した短距離防空用ミサイルである。
なお、3番艦の『みねゆき』からCIWSを装備している。







『たちかぜ』は『たちかぜ』型の1番艦で、『たちかぜ』型は第2世代の対空誘導弾搭載護衛艦である。なお、『たちかぜ』は平成19年度(来年度!)で除籍が予定されている。


  

 73式5インチ単装速射砲は砲への装填が完全自動であるが、船体構造の精度が要求され、重量も約67トンもあるが、これまでの大型護衛艦の主流砲であった。
速射砲の薬きょうの排出口の下に変なかごが付いていたので隊員の方に伺ったところ、これは薬きょう受けだそうで、排出された薬きょうをここで回収するそうです。『ちょうかい』や『くまたか』などの速射砲には付いていませんが、これは薬きょうを回収しないわけではなく、射撃の際に甲板にネットを張って後から回収するそうです。


  

 艦橋前部には73式5インチ単装速射砲で、その後ろにはアスロックランチャーがあり、艦中央部の両舷に3連装単魚雷発射管とCIWS、間後部には対空誘導弾発射装置が装備されている。なお、平成10年に護衛艦隊旗艦の司令部施設新設のため『たちかぜ』の(CIWSと対空誘導弾発射装置の間の)後部5インチ砲は撤去された。






『たかなみ』は、『たかなみ』型の1番艦で、『むらさめ』型に次ぐ護衛艦隊の中核を構成するヘリコプター搭載汎用護衛艦です。『むらさめ』型から水上打撃能力などを強化したものだ。(艦を大きく写した写真を撮っていなかった事に後悔している)


  

 『たかなみ』は、基本的に性能は『むらさめ』型と同一線上だが、搭載できるヘリがSH−60Jだけでなく、新型のSH−60Kも運用が可能だ。更に、通常ヘリは1機搭載するが本格的な2機運用が出来るように甲板から格納庫へヘリを移動させるための移送軌条が2本となっている。

 12.7o重機関銃はもう定番。しかし、この防盾は少し小さいと思う。正面だけでなく左右にも防御範囲を広げた縦を装備したほうがいいと思うが・・・。


  

 『たかなみ』を見学した際にヘリ格納庫に搭載されていたのは新型のSH−60Kでした。これの後輪を見たときにタイヤがへこんでるなぁと思って隊員(たぶんこのヘリパイだと思います)に聞いてみた所、これが普通だそうです。着艦をするヘリは着艦の際の衝撃が大きいために、パンパンに空気を入れているとタイヤが破裂する恐れがあるからだそうで、これは海外の(着艦をする)ヘリでも同じだそうです。ちなみに着艦の際にタイヤがパンクした事故はゼロだそうです。

 移送軌条は2本ありますが、ヘリを格納庫へ運ぶ着艦拘束装置は1つです。このため、もう1本の移送軌条に拘束装置を移すために線で示した所にレールを敷いて写真手前のもう1本の移送軌条に移すそうです。


『たかなみ』は、翌日の艦艦式の予行で乗る『おおなみ』と同一艦なのであまり写真を撮りませんでした。


最後に、親切・丁寧に説明&案内してくださった隊員の方々に感謝いたします。




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