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護衛艦「ひゅうが」初一般公開 in横須賀基地

 今年3月に就役したばかりの最新型の護衛艦「ひゅうが」が就役後1か月もたたないうちに一般公開されることになりました。

 ひゅうがははるな型護衛艦のはるなを代替するために建造された最新型のDDHであり、ヘリ運用能力を大幅に強化するために大型の飛行甲板と格納庫、整備区画を有しているのが特徴です。また、護衛隊群の旗艦としての指揮・通信能力も優れているほか、大規模災害時の洋上基地として機能できるように多目的区画なども設けられています。
そのひゅうがが就役後1カ月もたたないうちに一般公開されるというのではるばる横須賀まで見学してきました。

護衛艦「ひゅうが」初一般公開 in横須賀基地の様子を到着から艦内その1編、飛行甲板編艦内その2編とその後の3ページに分けて紹介します。

〜到着から艦内その1編〜

艦名不明潜水艦 ひゅうが
 横須賀に到着。ゲートに向かう途中、海自の潜水艦を撮影。2隻停泊していますが、潜水艦は艦番号等を記していないので艦名は分かりませんが、形状からおやしお型と推定できます。
そして、海自横須賀基地に大きな船体のひゅうがが見えてきました!ほかの護衛艦と比べると船体が高いですが全長はそれほど長くはありません。12月に世界最大級の空母ジョージ・ワシントンを見てきました(ジョージワシントン見学レポ参照。)が、それと比べるとやはり小さいです。

ひゅうがの全貌 入場待ちの列
 全体をみるとこれまでの海自艦艇にはない姿です。海面から(飛行)甲板までが非常に高いです。ほかの護衛艦の艦橋と同じぐらいの高さに飛行甲板があります。そのため後で紹介しますが、乗員の乗り込みや物資などの搭載には舷側から行います。
そして、門のところまで行くと長い入場待ちの列ができていました。今回はひゅうがしか公開されませんが、約8,200人訪れたそうです。地元の人や私のように遠くからはるばる来た人もいるのでしょうね。すごい。

巨大なひゅうが ひゅうがと工事中の岸壁
 予定より10分ほど早く開門しました。手荷物検査を済ませて早速ひゅうがまで向かいます。総監部前ではひゅうが用の岸壁の整備が行われています。去年のサマーフェスタではまだブロックだけでしたが、土が入れられています。完成は夏ごろでしょうか。
上甲板のほぼすべてが飛行甲板として使われているためひゅうがは海自護衛艦として初めて速射砲が搭載されていません。そのためかどうも護衛艦という感じがせずにおおすみ型輸送艦のようにドック型の輸送艦といった印象を受けます。

ひゅうがを前方から 停船命令等表示装置?
 ほぼ正面からのアングルです。しゅっとした感じの船首の形状がかっこよくて惚れてしまいました。
飛行甲板部分のフェンスには海上保安庁で導入されている垂れ幕状で文字を表示できる電光掲示板の“停船命令等表示装置”(海自での名称不明)があります。ひゅうがに入る前に気づいて後から聞こうと思っていましたが、聞き忘れてしまいました(・_・;)後で見学に行かれた方に聞いたところ「広報用に載せている」と隊員が自信なさげに言っていたとのことなので広報用だと思いますが、多分停船命令等表示用で載せていて今回は広報用として使っているのだと思います。

右前方から 真新しいロープ
 陸側に船首を向けているので右前方から撮影できます。このアングルは船をとるときの基本ですかね。写真を撮っていて船首がとがっていなくて平らなのでちょっと違和感を覚えます。
そして、係留用のロープはまだ白くて真新しい。こんなきれいなロープはなかなか見れません(笑)。

岸壁からひゅうが船首を 係留箇所の蓋
 岸壁からひゅうが船首を見て見ると、係留用のロープなどをつなげる部分が(飛行)甲板上ではなく、側面にあります。おおすみ型輸送艦では係留作業がしやすいように車両甲板から一段下がったところに専用の甲板がありましたが、ひゅうがでは作業性よりもヘリ運用を重視したようです。(それとも側面でもさほど問題ないのかな。技術が進歩して...。)
そして、側面の係留用の穴にはステルス性を向上させるために蓋が付いています。そのほかに、後でまた紹介しますが、膨張式の救命いかだを設置してある部分にも平らな鉄板があり、ステルス性を各所まで重視しした設計になっています。

タラップ いざ、乗艦
 混んでおり、前が詰まっていたのでもうすぐというところでしばらく待つことになりました。手前に見えるのが人が乗り込むための舷梯(タラップ)です。後で紹介しますが、奥のタラップは格納庫へ直接通じています。これらのタラップは自働で展開・収納できるようになっています。

ひゅうがの表札 艦歴&歴代艦長
 入口にはひゅうがの真新しい表札がありました。文字だけでなく、背景にひゅうがのシルエットをあしらったほうがカッコいいと思いますが、いかがでしょう。
そして、入口をはいってすぐにひゅうがの艦歴と歴代館長を表示するプレートもありました。艦歴は平成18年5月11日起工、平成19年8月23日進水(このときに「ひゅうが」と命名されました。)、平成21年3月18日竣工、同日就役し、第1護衛隊群第1護衛隊に編入されました。まだ就役から1カ月もたっていないと改めて実感しました。

ラッタル ラッタル(閉じた状態)
 艦内はひゅうがの全長を物語るかのように長く、まっすぐでした。その通路の途中でラッタルがあったので撮影。ラッタルが狭くて急なのはどの護衛艦でも同様ですね。他の護衛艦を見学すると、ラッタルの手すりに滑り止め用の細いロープが巻かれていますが、まだひゅうがには巻かれていないようです(一部の手すりには巻かれてありました)。これからせっせと巻くのでしょうね(^−^)
右側の写真は閉じた状態。左とは別の場所のものです。開いている状態のものは何度も見ましたが、閉じた状態のものを見るのは初めての気がします。ちなみに、床面の青いものはシートです。接着されているのかと思ったら、ずれてしわになっているところがあったので接着はされていないようです。これから止めるのかな。

多目的区画 巨大ディスプレイ
 そして、ひゅうがの目玉の一つ、多目的区画にやってきました。多目的区画は陸海空の統合作戦時の作戦室になるだけでなく、大規模災害時には自衛隊や政府、消防など指揮官がここから指令を出して海上基地として使用することも可能です。
何の根拠もないですが、今年の9月1日の防災の日の大規模な訓練では総理が首相官邸からヘリでひゅうがに乗艦して自衛隊や政府関係者とともに指揮をとるという訓練が行われる気がします。
今回は何もないですが、状況に応じて机やディスプレイを自由に配置することができます。そのため床面には器材の工程用の穴や電源や通信ケーブルに接続できる蓋が無数にあります。
そして、壁側には50インチ以上はあろうかという巨大なディスプレイがありました。作戦時には各種情報を表示することができます。こんなに大きな薄型テレビうちにもほしいです。いや、待てよ。こんなに大きいテレビを見れる見る広い部屋がないや(・_・;)

東国原知事のサイン 複合機&シュレッダー
 多目的区画の隅を見て見ると、あの宮崎県知事の東国原知事のサインが飾ってありました。ひゅうがの名前は宮崎県の旧国名のひゅうがからきているため、東国原知事はひゅうが就役にあたって「旧国名・日向の名を持つ『ひゅうが』の今後の大活躍を宮崎県民も期待しています。」との祝電を送っています。
また、コピー機やプリンタなどが合わさった複合機とシュレッダーが壁にベルトで固定されていました。暗かったのでカメラ内蔵ストロボを使用しましたが、レンズが影として映りこんでしまっています。外部ストロボがほしい…。

女子トイレの案内板 長い通路
 ひゅうがには護衛艦として初めて女性が乗り込むため女性用の寝室があります。当面は女性自衛官は17名ですが、将来的に増員もできるように女性用の寝室は3段ベットになっています。また、寝室のほかに女性用のトイレもあり、多目的区画から出た通路にその女子トイレの案内板がありました。
そして、右の写真はなが〜い通路。この長い通路を毎日掃除しているそうです。ご苦労様です(゜_゜>)

CIC左舷入口 セキュリティー機材
 先ほどの通路を左に曲がった通路のところにはCIC(戦闘指揮所)の左舷入口がありました。もちろん公開はありません。ドアの横には信頼と実績の(?)セコムのロゴの入った入出管理器材があります。セコムの器材ということで、防衛機密もばっちりです!!ちなみに、入出にはパスワードのほか、指紋認証も必要なようです。



次は飛行甲板編です。







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