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護衛艦「おおなみ」一般公開 in名古屋港

護衛艦「おおなみ」一般公開 in名古屋港の様子をその1、とその2の2ページに分けて紹介します。

艦首から艦橋を撮影 艦首
 艦首の甲板まで下りてきました。127mm速射砲は非常に大きく、かなり迫力があります。また、高性能20mm機関砲の前方にあるVLSも32セルと大型化したため甲板下におさめきれず1段高くなっています。
艦首には錨やもやいなどの巻き上げ装置があります。ステルス性を重視するならこのような装置(突起)がむき出しではなく、ブルワークと呼ばれる覆いをしたほうがいいですが、重量面や予算面では厳しいでしょうね。

マスト アンテナ
 重量面などからステルス性を考慮したものではなく従来のパイプを組み合わせたマストです。
マストには様々な機器が設置されており、
1:電波探知妨害装置 NOLQ−3。ミサイルや敵艦の射撃管制レーダーなどが発する電波を妨害して攻撃を回避するもの。
2:射撃指揮装置2型31。無人の射撃装置で127mmやシースパローの射撃・管制に使用される。
3:OPS−24B 3次元レーダー。3次元のレーダーで、目標の方位や距離、高度、速度の情報を得ることができる。
4:ヘリコプター用データリンクアンテナ
となっています。
そして、右の写真は集魚灯ではなく、通信アンテナですが、詳細はよくわかりません。とにかくアンテナです。

90式対艦誘導弾 給油レシーバー
 艦中央部分、2つの煙突の間には90式対艦誘導弾が配置されています。むらさめ型ではVLSのMk48があった場所ですが、前述の通り艦橋前方に集約され、配置が変わったためたかなみ型では対艦誘導弾が配置されています。スペースに余裕ができたため対艦誘導弾発射時のブラストを逃がすのに効率のよい位置になっています。
そして、ヘリ格納庫近くには洋上給油を受けるための給油レシーバーがあります。洋上ではこれを外側に向けて補給艦から延ばされたプローブをつなげて燃料給油するものです。

SH−60K 展示パネル
 飛行甲板にやってきました。新型のSH−60Kが展示されています。SH−60KはSH−60Jを日本独自に改良したもので、機体の大型化やローターの形状の変更、電子機器の変更などが行われました。
対艦ミサイルのヘルファイヤー、97式魚雷を搭載できるほか、7.62mm機関銃も搭載可能なため対艦・対潜攻撃や不審船対処なども可能です。また、潜水艦を発見するための磁気探知機や水中音波探知機、レスキューホイストなども装備しているため戦闘任務から救難任務、人員・物資輸送など様々な任務をこなすことのできる優れものです。
かなり高性能なため調達価格1式で60億円以上します。そのため配備がなかなか進まない。

コックピット ベアトラップ
 コックピットは計器類をモニターで表示するグラスコックピットとなっているためボタン類が少なくなっています。
そして、機体はベアトラップに機体側のフックのようなものを引っ掛けています。こうすることによって悪天候時でも甲板にはじき返されずに機体を甲板に着艦させることができます。さらに悪天候の場合はヘリからワイヤーを下ろして、ベアトラップで巻き上げてヘリを手繰り寄せます。
なお、ベアトラップとはクマを捕獲するワナに似た形状のためベアトラップと呼ばれおり、正式には着艦拘束装置と言います。

キャビン 水中音波探知装機
 キャビンには水中の音を収集して潜水艦の位置などを探る水中音波探知機があります。ヘリがホバリングした状態で黒色の丸いものをワイヤーで海面下につりさげて使用します。ヘリコプターは素早く別の地点に移動ができるため護衛艦よりも機動性があり、潜水艦の探知・追尾には欠かせない存在です。

磁気探知装置 機体後方
 キャビン後方にあるのが磁気探知装置です。地球は磁気(地磁気)を発していますが、金属があるとその地磁気が乱れるのでその乱れから潜水艦を探知するものです。要するに金属探知機みたいなものです。これも水中音波探知装置と同様にワイヤーで海面下につりさげて使用します。
SH−60K

ヘリ格納庫 ヘリ甲板とSH−60K
 ヘリ格納庫はあさぎり型以降2機格納できるようになっていますが、たかなみ型は本格的に2機の運用ができるように着艦拘束装置でヘリを移送するためのレールが2つあり、2機を格納できるようになっています。ちなみに、右側にある支柱は2機運用の際(右側にヘリを格納する場合)には折りたたみます。強度上なくすことはできないようです。
一通り見終わったのと雨が小雨が降ってきたのでそろそろ帰ることにしました。帰り際に飛行甲板とヘリを撮影。

艦尾から 艦尾
 少し風が強くなってきました。艦尾にも様々な装置があります。左舷側の四角い部分は曳航式ソナーの繰り出し口で、ここから全長数キロの曳航式ソナーを繰り出して潜水艦を探知します。そして、右舷側の丸いものは魚雷防御用のデゴイ(おとり)の繰り出し口です。このデゴイ繰り出し口はたかなみ型はすべて装備し、むらさめ型は後期の艦が装備しています。

にっぽん丸 おおなみを艦尾から
 おおなみの見学を終え、ポートビル近くのふ頭へ行くと、豪華客船の「にっぽん丸」が停泊していました。このにっぽん丸は数日前の皆既日食でツアー客を乗せていたものですが、客を降ろしたので停泊しているものと思われます。一度こんな豪華客船に乗って世界1周ツアーでも言ってみたいですが、夢のまた夢ですね。
にっぽん丸が停泊していたふ頭からおおなみを撮影。こうして比べると一般の船と護衛艦はぜんぜん違いますね


 今回もいつものように艦艇広報として海自艦艇が公開されましたが、何度も言うように海自の基地がない愛知でこういう艦艇公開はうれしいのでもっと広報として艦艇を公開してほしいと思います。乗員の休憩のついででいいので。

 今回公開されたおおなみですが、8月1日に行われた横須賀サマーフェスタの際には横須賀基地に停泊していたのでこの後横須賀基地に向けて出港したものと思われます。このおおなみは前回の観艦式で乗艦したり、今年の1月にも公開されたりと結構私とかかわりのある船ではないかと勝手に思っています。





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