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78式戦車回収車

78式戦車回収車

 78式戦車回収車は74式戦車から砲と砲塔部分を取り除いてクレーンやけん引装置などを乗せた車両で、74式戦車等が破損などした際に回収ができるように開発された。


後ろから。車体後部がフラットになっているのが分かる  戦車回収車とは、故障した戦車などをけん引したり、転倒などした車両を引き上げるなどを行うほか、エンジンなどの交換作業を野外で行う車両で、この78式戦車回収車は74式戦車の車体部分をベースに開発され、つり上げ能力20tのクレーンや38tのけん引力を持つウィンチなどを備えている。また、車体後部にはエンジントラブルなどでエンジン交換が必要な車両の交換用のエンジン等を搭載するスペースがあり、トラックを使わずにエンジンを輸送することも可能である。

 車体部分が74式戦車と同様のため敵のある程度の攻撃にも耐えられるようになっており、通常のクレーン車などでは危険な地域での活動も可能である。また、74式戦車の特徴の姿勢制御が可能が可能であり、前後左右に車体を傾けることができるため傾斜地での作業も容易になっている。


ハッチに取り付けられている12.7mm重機関銃  74式戦車と同様の車体のためある程度の防御力はあるが、この78式戦車回収車は戦闘車両ではないため危険地域での作業は装甲車など戦闘車両の援護が必要になる。ただし、自衛用に12.7mm重機関銃を搭載しているためある程度の自衛戦闘は可能である。と言っても戦車や装甲車相手ではなく非装甲車両や人員に対するもので戦車などの火力脅威下では味方の戦車などが必要になる。
また、車体の正面には3連装の発煙弾発射装置が2つあり、敵からの攻撃を回避するために煙幕を構成することが可能である。


なお、78式戦車回収車は74式戦車の回収を前提として開発されたため74式戦車よりも重量のある90式戦車99式自走155mmりゅう弾砲などの車両の回収作業はできない(2両使用するなどすれば可能)ため90式戦車と同時に90式戦車をベースにした90式戦車回収車が開発されている。



諸元・性能
名称 78式 戦車回収車
乗員 4人
全備重量 約38.9t
全長 約7.95m
全幅 3.18m(スペードをとり外した状態)
全高 2.40m
最低地上高 0.40m
クレーンつり上げ力 20t以上
クレーン仰俯角範囲 0〜75度
クレーン旋回範囲 270度
牽引力 38t
最高速度 53km/h
武装 12.7mm重機関銃 M2・・・1
エンジン 空冷2サイクル10気筒ディーゼル機関
720PS/2,200rpm 
開発 防衛庁技術研究本部




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