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89式装甲戦闘車

89式装甲戦闘車

               



備考

 89式装甲戦闘車は、海外では歩兵戦闘車と呼ばれる部類の車両で、戦車・装甲車などを撃破できる強力な火力性能を持ち、普通科隊員を前線地域に安全に輸送する車両である。

35mm機関砲と対戦車ミサイルを備えている89式は独特の威容を誇っており、個人的にかなりカッコイイと思う車両である  89式は、90式戦車に追随し、普通科隊員を前線地域に輸送し、普通科隊員の下車戦闘を支援できる能力を持つ車両として1989年に制式化された車両で、海外では歩兵戦闘車と呼ばれるタイプの車両。90式戦車に追随しながらの機動運用が出来るように600馬力の強力なエンジンを搭載している。

 89式は、車長、操縦手、砲手のほか、車体後部に7名の戦闘員(普通科隊員)を乗せることができ、90式戦車に追随し、敵の装甲車と遭遇した場合は35mm機関砲で撃破し、戦車と遭遇した場合は79式対舟艇対戦車誘導弾(対戦車ミサイル)で撃破して前線に進出し、普通科隊員を車体後部の扉から下車展開させて拠点を確保することが出来る。



車体側面にある丸い目玉のようなものが銃眼  35mm機関砲はスイスのエリコン社のもので、装甲車程度なら撃破が可能である。また、同軸機関銃として74式車載7.62mm機関銃を装備しているほか、砲塔の両側に79式対舟艇対戦車誘導弾発射装置(対戦車ミサイル)を各1基装備しており、敵戦車とも対抗が可能となっている。
そして、車体の左右に各3つ、後部に1つの計7つの銃眼が付いており、車内から身を出さずに小銃射撃が可能となっている。

 89式は90式戦車に追随できるように600馬力ある強力なエンジンを搭載し、あらゆる悪路でも走行が可能である。最高速度は時速約70kmで、90式戦車の最高速度と同じである。また、敵の装甲車や戦車などとの遭遇・戦闘も予想されることから、車体は圧延防弾鋼板を用いており、アルミ合金製の73式装甲車より格段に強力であり、生存性が向上している。
そして、エンジンを車体の前方に配置したフロントエンジンとなったことで73式装甲車より車内容積が広くなっているほか、正面からの被弾時にはエンジンは犠牲になるが、乗員などの生存性は高くなる。

 89式は90式戦車に追随しながら敵の装甲車と遭遇した場合は35mm機関砲で撃破し、歩兵部隊と遭遇した場合は35mm機関砲と同軸の7.62mm機関銃や車体後部に乗車している隊員の携行する小銃で銃眼から射撃を行う。また、戦車と遭遇した場合は砲塔両脇に各1基装備している対戦車ミサイルで撃破する。そののち、要地などを確保するため車後部に乗車していた隊員が下車して戦闘を行う。下車戦闘中も89式は35mm機関砲や7.62mm機関銃によって敵を撃破し、下車した隊員を援護する。



 地上戦闘を行って敵歩兵を撃破することが任務の普通科隊員を前線地域に安全に輸送するという戦闘装甲車の性質上、本来なら戦車より多く必要だが、高価格なため年間1両程度しか生産されず、配備部隊は機甲師団の第7師団第11普通科連隊と教育用に富士教導団の普通科教育教導連隊と北部方面教育連隊普通科教育中隊と武器学校に少数配備されているだけで、総生産数は70両程度で、平成16年度の調達を最後に調達は行われていない。


 この89式装甲戦闘車は2004年度の1両をもって調達が終了しており、今後は後継車両は偵察警戒車や自走対戦車砲などのベース車両となるように開発された将来装輪戦闘車両のファミリー車両の1つとして開発が行われる(現在は搭載する機関砲システムの研究中)近接戦闘車の人員輸送型である。ちなみに近接戦闘車の偵察型が87式偵察警戒車の後継である。


諸元・性能
名称 89式 装甲戦闘車
乗員 3人+7人
全備重量 約26.5t
全長 6.8m
全幅 3.2m
全高 2.5m
最高速度 約70km/h
行動距離 約400km
エンジン 三菱6SY31WA型
水冷4サイクル直列6気筒ディーゼル機関
武装 35mm機関砲・・・1
79式 対舟艇対戦車誘導弾発射装置・・・2
74式 7.62mm機関銃・・・1
開発 防衛庁 技術研究本部




フォトコレ
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