前段演習

 さあ、いよいよ総合火力演習の開始です。まず、陸自の主要装備を紹介する前段演習です。


遠距離火力

航空火力

 航空火力は航空機による対地爆撃です。といっても東富士演習場は射爆場ではないのであらかじめ地上に仕掛けた爆弾を航空機の通過にあわせてタイミングよく爆破するだけです。



 今年はプログラムを見ると対地爆撃がF−2になっていました。今まではF−4が行ってきましたが、今年からはF−2にその座を譲ったようで、時代の流れを感じます。しかし、今年は天候が悪く、飛行経路の天候不順でF−2は飛んできませんでした。なので、航空機は無しで地上に仕掛けた爆弾を爆破するだけです。ちょっと寂しい

特科火力

 特科火力として、99式自走155oりゅう弾砲、203o自走りゅう弾砲、155oりゅう弾砲FH−70と、指揮通信用の82式指揮通信車が入場します。

  

 82式指揮通信車が先行して誘導員が射撃位置に誘導します。右の写真は155mmりゅう弾砲FH−70です。これは陸自に主力火砲で北海道以外の特科部隊に配備されているものです。

  

 左の車両は最新の99式自走155mmりゅう弾砲で自動化などで少ない要員で射撃が可能となっている。右の写真は203mm自走りゅう弾砲で強力な弾丸を発射することが出来る。

  

  

 各砲は速やかに射撃準備をして射撃を行います。結構迫力があります。それよりも『だんちゃ〜く、今っ!』というアナウンスが好きですね。155mmりゅう弾砲FH−70は本来は専用のトラックに牽引されますが、陣地転換などの小規模な移動の際は自走することもできます。


中距離火力

迫撃砲

  

 中距離火力として迫撃砲です。左の写真は120mm迫撃砲RTで、右の写真は81mm迫撃砲L−16を運搬しているところです。
120mm迫撃砲RTは高機動車の後部に牽引できるようになっています。81mm迫撃砲L−16は3つの主要部分に分解してトレーラーに乗せて運搬します。

  

 左は120mm迫撃砲RTの展開の様子です。速やかに展開できるのが特徴です。右は81mm迫撃砲L−16の射撃の様子です。やはり、口径の大きい120mm迫撃砲の射撃音のほうが大きいです。

誘導弾

  

 左は国産の64式対戦車誘導弾でこれは相当古いものです。右は79式対舟艇対戦車誘導弾で戦車だけでなく上陸用の小型舟艇も撃破可能な能力があります。



 左は最新の96式多目的誘導弾で、これは光ファイバーによって目標へと誘導します。このほかにも87式対戦車誘導弾なども展示・発射されました。


近距離火力

対人障害


 対人障害として指向性散弾が展示されました。この指向性散弾は対人地雷に替わるもので、監視モニターなどで敵を発見したら散弾を発射するものです。敵兵に見立てた風船を破壊しました。

ヘリ火力



 ヘリ火力として対戦車ヘリコプターAH−1Sが20mm機関砲を射撃します。このAH−1S、通称コブラは非常にかっこよく、20mm機関砲の射撃は迫力があります。

  

 AH−1Sの援護を受けて、CH−47Jから隊員がファーストロープと呼ばれる降下方法で降下します。ファーストロープとは金具で自分とロープをつながず、綱引きの綱のような太いロープを手足で挟んで滑り降りる方法です。
しそして、脱出の際は右の写真にあるようにCH−47Jからロープを垂らして隊員が吊るされるエクストラクションロープで脱出します。これは速やかに脱出する方法で、実際、ものの数十秒で会場から離れていきました。吊るされている隊員は銃を地上に構えながら警戒をしています。


普通科火力

  

 普通科火力では初めに軽装甲機動車が車上から5.56mm機関銃MINIMIを射撃します。そして、入場した軽装甲機動車のうち2両がそれぞれ車上から01式軽対戦車誘導弾を発射します。予定では低伸弾道モードとダイブモードで射撃する予定でしたが、霧が濃くてダイブモードは発射されず、2発とも低伸弾道モードでした。霧でもダイブモードは撃てると思いますが、観客が弾道を見れないからだと思います。

  

  

 続いて96式装輪装甲車が登場し、12.7mm重機関銃M2を射撃し、その後、後部のドアから科隊員が下車し、小銃により射撃します。個々の写真では分かりにくいかもしれませんが、皆さんダットサイトをつけています。



 次は84mm無反動砲、110mm個人携帯対戦車弾を射撃します。

  

 そして、89式装甲戦闘車が35mm機関砲を射撃します。機関砲とはいえ35mmもあると結構な射撃音がします。残念ながら89式装甲戦闘車から隊員の下車戦闘はありませんでした。


装甲機動打撃力

  

 そして、総合火力演習の主役とも言うべき90式戦車が入場します。走行しながら主砲の120mm砲を射撃しますが、とにかく射撃音は半端ないです。音の目安などはこちらを見てほしいですが、射撃のときに観客席から『お〜』とおどろく声がします。当然私もその一人でしたが、だんだんと病み付きになってきました。

空挺降下

 空挺降下はパラシュートで降下してくるものですが、天候の影響で中止になりました。

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 ここで前段演習は終了。右の74式の写真は会場を横切っている様子。前段演習では射撃はしてなかった(と思います)。












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